そうじるし通信[5]

そうじるし通信[5]

散らかった月曜日 縛られる金曜日 きり抜けた土曜日 - JOY POPS ―

今年のホウキモロコシの収穫の全工程が終了した。
栽培・収穫に携わり、尽力して頂いた方々に深く御礼を申し上げます。

ありがとうございました。また、来年もよろしくお願い致します。

そうなのである。自然素材を扱うということは、「また、来年も・・・」なのである。
そして「来年が今年」になり「今年が過去(去年)」になる。その繰り返しなんですなぁ・・・。
(「過去」が記憶となりそれが蓄積され「経験」となる。ちなみに「職人」とはその「蓄積・経験」を「モノ」に込めることを「生業」としているヒトなのです)

さて、このホウキモロコシ栽培について自分が経験したこと・教えられたこと・気付いたこと(記憶の蓄積!)を語ってみようと思う。

種まき時期は5月中旬から下旬。「ゴールデンウィーク」が明けた頃から、「そろそろ種、蒔きますかどうしますか」ってなハナシになってくる。中耕・間引きを経て大体70~80日後に収穫。脱穀・煮沸・乾燥にて終了。大まかにいえばゴールデンウィーク明けからお盆までのスパンで完結してしまう、生育が早く生命力に富んだ「工芸作物」なのである。

これは何を意味するのか。つまり春(メインの農作物の種まき・苗付け)から秋(収穫)までの間に栽培・収穫のできる「副作物」の意味合いを含んでいるのです。

そして「メインの作物」の工程が終了した「冬」から「春」にかけて、この「副作物」から「モノ」を作り「現金化」を図る。この副作物から「モノ」を作る生業が、その土地によって様々な様相を示す「ご当地文化」として、なんとか、息も絶え絶えに、今に受け継がれているのです。

箒・竹・漆・蚕・炭・綿・染・織・その他諸々、「手しごと・暮らし・祭り」はこの中で生まれ育まれ洗練されたものなのです。

さらにいえば幼少期~青年期~中年期~老年期といったスパンと、一年を通じた「四季」といった大きなスパン・ルーティンが、とても密接にリンクしているからこその「手しごと」であり、そのリンク(輪もしくは環)が無意識に・必然的に「モノ(食も含む)」として顕現化したものが「民囈」と呼ばれている・・・とワタクシは理解しております。

さらにさらにいえば、この広大な、でっかいでっかいスパン(時間・蓄積)を「対費用効果・コスパ」というモノサシで計りジャッジし、優先順位と価値観を組み直し・作り替えた出来事を「近代化・高度経済成長」というのです。

さらにさらにさらにいえば、「高度経済成長」はとても豊かな・便利な生活をもたらしました。ワタクシもその恩恵を十分に受けております。それは自覚しております。しかしその恩恵の「代償」として何がもたらされたのか、これが「掃印協同組合」を運営していく上で欠かすことのできない「問い」なのです(この代償の最終段階が「コドモ」を産まない・産めない「少子化」、つまり「種蒔き・収穫・また来年」の中止・断絶を招き、それが「今」、現実化しているのです・・・ってやっぱちょっと強引ですかね・笑)。

さらにさらにさらにさらにいえば、この「問い」を共有することできれば、それであなたも「組合員」たる資格を十分備えているのであります。

さて、また例のごとく、ハナシが「でっかく」なっちまった(サーセン)・・・ので、その「問い」として見えてきた「箒・ホウキモロコシ栽培」に関しては、また、次回に。

ではでは。

(ネット・AIは現代の「ミンゲイ」なのでは・・・と密かにおもっている組合員・J)