挨拶にかえて
掃印とは
「掃印」とかいて「そうじるし」と読みます。
「そばに置いておきたい掃除道具」をテーマに、日々の生活の中で「掃除したいな・・・」という場所に、そのまま置いておける「掃除道具・掛けほうき」。
デザイナー・大治将典がこの企画を発案、そしてその思いに共感したメンバーが「掃印協同組合」を設立し2005年から製造・販売を行っています。
重要視したのは次の3点。
1、掃除をするための道具として「機能性・耐久性」が十分に備わっていること
2、「掛けほうき」を作る工程において、職人に無理な・無駄な負担がかからないこと
3、原材料の生産、箒の製造・販売・使用・廃棄に関して環境負荷の少ない「循環かつ継続的」な仕組みを作ること
「掃印(そうじるし)」とは、箒という単なる掃除道具を提供するだけではありません。
「作る」「売る・買う」「使う」「棄てる」という「モノとモノ」・「モノとヒト」・「ヒトとヒト」といった関係性を、お客様と新たに構築し・共有してゆく「ブランド」でありたい・・・と願い、これからも活動を続けてまいります。
掃印協同組合員一同
「そばに置いておきたい掃除道具」
私は掃除が好きです。
私はほうきでの掃除に出会うまでは主に掃除機で部屋の掃除をしていました。
掃除をするのは気分が良くてとても好きなのに、掃除をするのが面倒なときがあるのはなぜなんだろう?と思っていました。
重たい掃除機を引っ張り出してきてまで掃除するのは面倒だなとか、だからといって掃除機を出しっぱなしにしておくのは邪魔だし、何しろ部屋に似合わない、と思っていました。
あるとき友人がスゴイほうき屋さんがあるからと連れられて伺ったのが白木屋傳兵衛商店でした。とても理にかなっている作りと使い勝手、ほうきの正直な形の美しさ、そして番頭さんの高野さんの掃き姿の凛々しさにすっかりやられてしまいました。そのとき、こんな美しいほうきなら側に置いておきたいし、高野さんのように素敵に部屋を掃除したいと思いました。
自分は掃除が面倒なのでなく、掃除道具をわざわざ出したり入れたりするのが面倒だったのだと気付きました。掃印の「そばに置いておきたい掃除道具」という考えが浮かんだ始まりです。
あるイベントがきっかけで、掃除道具の提案をさせていただくことになったときに、積極的にそばに置ける仕組みや部屋にあって嬉しい形の掃除道具を作りたい、と白木屋高野さんに持ちかけて生まれたのが、掃印のどこにでも掛けておける「掛けほうき」です。
私の自宅では、洗面所・キッチン・仕事部屋のすぐ手に届くところにいつも掛けほうきを掛けて置いて、ホコリが目に付くとすぐにほうきで掃除する習慣が付きました。ほこりを目にしても掃除機を出すのがおっくうで見て見ぬふりをしなくてすんでいるのは、とても気が楽です。掃除機を使う回数はめっきり減りました。
掃除がもっともっと好きになりました。
これからも作り方、使いこなし方、佇まい、伝え方、売り方、治し方、すべてに気を配りながら、長く付き合っていきたい掃除道具を無理なく少しづつ職人たちと作り続けていきたいと思っています。
大治将典